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オクシズの森を守ろう

静岡市には、静岡浅間神社と久能山東照宮の社殿群、駿河漆器や井川メンパなどの伝統工芸に象徴される漆の文化が伝えられています。静岡が誇るそれらの漆文化を自らの手で受け継いでいこうと、静岡の奥”オクシズ”でウルシの木を育てるプロジェクトが始まりました。ウルシを育てるには、肥沃で、水はけがよく、日当たりがよいという3つの条件が求められます。静岡では「お茶畑」が敵地になるのではないかということで、森林だけでなく、お茶の耕作放棄地に漆を植える試みも始められました。

静岡市は、3000m級の山々が連なる南アルプスから推進2500mの駿河湾に至る自然環境の中で、豊かな文化を育み、都市として発展してきました。私たちが、これからも身近な自然環境の恩恵を受け続けるためには、安倍川や藁科川、大井川、興津川の水源であり、豊かな生態系を育んでいるオクシズの森を守り伝えていくことが必要です。

オクシズの林業家の皆さんは、森の持つ力を確実に次の時代へと受け継ぐために、人の手がかけられないまま荒廃しようとしている山々の再生に取り組んでいます。文化財への利用が見込まれるウルシの栽培は、その取り組みのひとつとして始められた新たな挑戦です。

【漆の栽培計画】文化財を護るためにはどれくらいの漆が必要なのか?

静岡県は京都府と並び、全国で2番目に漆塗りの文化建造物が多い地域です。静岡浅間神社には26棟、久能山東照宮13棟と計39棟もの漆塗り建造物があります。漆塗りの建造物は、約40年度に1度、大幅な修理が必要とされています。静岡県には全部で39棟もの漆塗りの建物が存在しているため、約1年に1棟ずつ修理を行う必要があります。また、漆塗りが施されている国宝・重要文化財建造物は、すべて国産漆を使用するよう文化庁からの指導があり、近年国産漆の需要が急激に高まってきています。そうした経緯にもあり、当組織では漆栽培の産業化に向けて動き出しています。

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